◆ゆうみ > 封印のイメージがつかめたら、悩める悪童さんと、こんなこともあろうかと摂政の図で良いかなと思うんだがー
◆よっきー > あの人ははじめからこうなることを予測して……いや、まさかな
◆よっきー > とかそういうセリフを吐きたい。いやただの願望ですが。
というわけでこんなのを書いてみました。
とりあえず悪童さんを果てしなくかっこよくしとけばいいんだよね?というSSです。
またしても導入部だけになってしまったような。
要点によってはこのままいけるようにしたせいで最後の一文が気に入らないので
要点がUPされたらもっかい考えます。
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核の平和的利用・・・核兵器を開発させたよっきーの目的はそこにあった。
核融合炉と廃棄物のリサイクルで、クリーンなエネルギーが欲しかった。
いきなり核融合炉を建設には、当時の悪童同盟は技術不足だった。
だからまず、核兵器を開発し、核というものをコントロールする技術を身につけるところから始めようとした。
宇宙戦で勝たなければならないという状況は好都合だった。
――戦争は技術の革新を生み出す―― それはいくつもの歴史が証明してきた事実である。
「宇宙で使う、テラ領域を護る為の核兵器」そんなキャッチフレーズは国民の不安感を抑えることができた。
予定よりも早い時期に開発を成功させる事ができた一因に、宇宙戦に間に合わせなければならないという気持ちが
担当者のモチベーションを引き出した、という事もある。
だが。
国内で眠りにつくはずだった核の技術は、宇宙戦の場に持ち込まれた。
テラ領域の存亡をかけた戦いに、技術の出し惜しみをする余裕はなかったのだ。
結果的に宇宙戦で核兵器が使われる事はなかったが、その技術は確実に他国に流出しているだろう。
「じきに核の拡散が起こります・・・すみません、読みが甘かったようです。下手をすれば冷戦か絶滅戦争ですよ・・・」
うなだれるよっきーの肩に手を置いて、悪童屋は何事もなかったかのように言った。
「やれるだけの事はやってみたんだ。今度も同じようにやればいいさ。さぁ、核を封印しよう」
顔を上げると、悪童屋は微笑んでいた。
その時、よっきーの脳裏に一つの疑問が浮かんだ。
――何故、宇宙戦で指揮を執っていた悪童屋は核兵器を使わなかった?――
(あの人ははじめからこうなることを予測して・・・いや、まさかな)
しかし、自国の最高機密たる技術を忘却していたわけではあるまい。
何をどう考えても、たどりつく答えは一つだった。
悪童屋は、わざと核兵器を使わなかったのだ。
自らが率いている帝國軍の為だけではない。
悪童同盟という一国の為だけでもない。
帝國という枠組みすら超えて、テラ領域の為に使わなかったのだ。
(悪童さんはどこまで大きな器を持っているのか・・・!)
例えいくばくかの技術は流出しても、今ならまだ間に合う。
核の封印を。
よっきーは悪童屋に決意を告げ、その笑顔がうなずくのを確認して、地下基地にあるサイロを厳重に封印した。
最後に、万が一封印が解かれたときにはすぐにそれとわかる様、封印シールを貼る。
そう、原子力は平和の為に使うべきなのだ、と、悪童屋の持つ不滅の大義がよっきーを温かく見守っていた。