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  [No.1183] 取得アイドレス『核の封印』 投稿者:ゆうみ  投稿日:2008/07/15(Tue) 11:46:19

取得アイドレス『核の封印』の作業はこちらでー。


  [No.1184] 設定文はこちらへ。 投稿者:ゆうみ  投稿日:2008/07/15(Tue) 11:47:02

取得アイドレス『核の封印』の設定文はこちらへ返信してください。


  [No.1185] SSはこちらへ。 投稿者:ゆうみ  投稿日:2008/07/15(Tue) 11:47:28

取得アイドレス『核の封印』のSSはこちらへ返信してください。


  [No.1187] よっきーの願望をSSに! 投稿者:ゆうみ  投稿日:2008/07/15(Tue) 11:53:32

◆ゆうみ > 封印のイメージがつかめたら、悩める悪童さんと、こんなこともあろうかと摂政の図で良いかなと思うんだがー
◆よっきー > あの人ははじめからこうなることを予測して……いや、まさかな
◆よっきー > とかそういうセリフを吐きたい。いやただの願望ですが。

というわけでこんなのを書いてみました。
とりあえず悪童さんを果てしなくかっこよくしとけばいいんだよね?というSSです。

またしても導入部だけになってしまったような。
要点によってはこのままいけるようにしたせいで最後の一文が気に入らないので
要点がUPされたらもっかい考えます。

/*/

核の平和的利用・・・核兵器を開発させたよっきーの目的はそこにあった。
核融合炉と廃棄物のリサイクルで、クリーンなエネルギーが欲しかった。
いきなり核融合炉を建設には、当時の悪童同盟は技術不足だった。
だからまず、核兵器を開発し、核というものをコントロールする技術を身につけるところから始めようとした。
宇宙戦で勝たなければならないという状況は好都合だった。
――戦争は技術の革新を生み出す―― それはいくつもの歴史が証明してきた事実である。
「宇宙で使う、テラ領域を護る為の核兵器」そんなキャッチフレーズは国民の不安感を抑えることができた。
予定よりも早い時期に開発を成功させる事ができた一因に、宇宙戦に間に合わせなければならないという気持ちが
担当者のモチベーションを引き出した、という事もある。

だが。
国内で眠りにつくはずだった核の技術は、宇宙戦の場に持ち込まれた。
テラ領域の存亡をかけた戦いに、技術の出し惜しみをする余裕はなかったのだ。
結果的に宇宙戦で核兵器が使われる事はなかったが、その技術は確実に他国に流出しているだろう。

「じきに核の拡散が起こります・・・すみません、読みが甘かったようです。下手をすれば冷戦か絶滅戦争ですよ・・・」
うなだれるよっきーの肩に手を置いて、悪童屋は何事もなかったかのように言った。
「やれるだけの事はやってみたんだ。今度も同じようにやればいいさ。さぁ、核を封印しよう」
顔を上げると、悪童屋は微笑んでいた。

その時、よっきーの脳裏に一つの疑問が浮かんだ。

――何故、宇宙戦で指揮を執っていた悪童屋は核兵器を使わなかった?――

(あの人ははじめからこうなることを予測して・・・いや、まさかな)

しかし、自国の最高機密たる技術を忘却していたわけではあるまい。
何をどう考えても、たどりつく答えは一つだった。
悪童屋は、わざと核兵器を使わなかったのだ。

自らが率いている帝國軍の為だけではない。
悪童同盟という一国の為だけでもない。
帝國という枠組みすら超えて、テラ領域の為に使わなかったのだ。

(悪童さんはどこまで大きな器を持っているのか・・・!)

例えいくばくかの技術は流出しても、今ならまだ間に合う。
核の封印を。

よっきーは悪童屋に決意を告げ、その笑顔がうなずくのを確認して、地下基地にあるサイロを厳重に封印した。
最後に、万が一封印が解かれたときにはすぐにそれとわかる様、封印シールを貼る。

そう、原子力は平和の為に使うべきなのだ、と、悪童屋の持つ不滅の大義がよっきーを温かく見守っていた。


  [No.1219] 設定文的な 投稿者:よっきー  投稿日:2008/08/02(Sat) 00:05:02

SSはこちらへで設定文の置き場が無くて困りましたが一応ここにw

/*/

悪童同盟において核の封印が方針として決定してから、封印作業は急ピッチで進められた。

弾頭からは燃料の重水素とトリチウム、ならびに着火用レーザーのエネルギーが除去され、
制御用のコンピューターについても制御回路を物理的に切断するなど、
完全に起爆の不可能な状態にされた。

これら既に弾頭とすらいえなくなった鉄の塊は、
地下基地最深部からさらに何重もの隔壁によって隔てられた深深度貯蔵室の中に格納され、
さらに隔壁そのものも硬化樹脂によって全く開放できないように固められた。

同様に開発データについてもデータベースに始まり研究者のメールボックスに到るまで
ありとあらゆる電子データは復活の不可能な形で消去され、
印刷された図面についても焼却処分の上薬品処理され、弾頭と一緒に封印された。

こうして、悪童同盟において核開発に関するデータは研究者の頭脳の中に残るのみとなった。
完全封印と言う観点から研究者に監視をつけデータの流出を防ぐという案も出たのだが
さすがにこれは人道的にも経費的にも問題が大きすぎると言うことで廃案となった。

核の封印の余波は弾頭の処理だけに留まらず、他のところにも影響が出始めている。
たとえば核弾頭搭載の長距離ミサイルを格納予定であったミサイルサイロは、
ミサイルではなく単なる食料を貯蔵する本来の意味でのサイロに転用されたり
貯水槽となって周辺住民の生活安定や周辺地域の緑化などに活用されたりもしている。

また燃料のひとつである重水素を生産するためのプラントは、
原料である海水の淡水化能力をそのまま活用して飲料水などの増産に着手。
はからずも国民の増加に対応して転用したかのような形となった。

このようにたとえ核爆弾とその製造能力を失ったとしても
それ以外のところで使えるところは使えるだけ使い倒すのがこの国のやり方であり、
過酷な環境の地に生きる人間たちのやり方なのだ。


  [No.1220] 暗躍 投稿者:よっきー  投稿日:2008/08/02(Sat) 21:46:01

ついでにもう一本。PCが出てこないのは仕様。

/*/

 ここは悪童同盟某所。時は折しも一周年記念祭開催の当日であった。
薄暗い室内にまばゆく光る液晶モニターが一つ。
その眼前には室内であるにもかかわらずサングラスをかけ、
さらに黒いスーツに黒い帽子といった出で立ちの痩せぎすの男が腰掛けていた。

「くそっ、電子経路は全部アウトか……肝心なところは全てスタンドアロンで組んで居やがるのか?
セキュリティ技術自体は大したことないレベルだが……」
毒づく男。
モニターに移るのは悪童同盟で開発された核兵器について一般公開されている範囲の資料と、
政庁内データベースで核兵器についてより詳細に調べ上げようとした結果──
すなわち、Data Not Found の文字であった。

 そう。彼こそは某組織が核兵器の力を我が物にせんと送り込んだエージェント。
そのリーダーである彼のコードネームは『アルファ』といった。
あわよくば情報ネットワークからその設計図情報を手に入れんとする試みは失敗したが、
この程度は多少の心得がある相手であれば当然のこと。落胆などはしない。
既に彼の部下は別方面での活動を開始しており、その経過報告がもうすぐ届けられるはずだった。

 焦ることは無い、核も情報も逃げはしない……と呟くや、葉巻を取り出し火をつける。
その半分ほどが灰になった頃、変則的なリズムのノック音が訪れた。
エージェント同士で意思疎通を図る際に使われる符丁だ。
例えば敵に捕まり連れて来られたときなどはこのリズムの変化で状況を察知できる。
もっとも今回は異常なしという内容のものであったが。

 ノックが終わってかっきり15秒後。
ドアを押し開けて入ってきたのは同じく黒ずくめの、こちらは小太りの男だった。
その表情に汗が浮かんでいるように見えるのは砂漠の暑さゆえか。
そんなことは気にも留めず、アルファが問いかける。
「報告を聞こうか、ブラボー」

「は、それが……」
ブラボーと呼ばれた男がおずおずと口を開く。
歯切れの悪い返答からは活動の結果が芳しくなかったと容易に見て取れた。
「やはり、警戒が厳重で近づけなかったか。無理も無いが……」
これもアルファにとっては予想内の事態ではあった。
ブラボーには弾薬庫に格納されているはずの核弾頭を奪取するため監視状況を調べさせていたが、
いくら今日が記念祭の開催日とはいえ、核兵器の管理を甘くするほど間抜けではなかろう。
これ以上のチャンスを作るとなればリスクを承知で破壊工作による陽動か……
などと一瞬のうちにめぐらせた考えが次の瞬間に霧散する。

「いえ、それが逆なのです。むしろ核弾頭のある弾薬庫には容易に近づくことが出来ました。
ですが、そこはもぬけのからだったのです……まるであの宣言が事実だったかのように!」
「なんだと……ばかな!」
あの宣言とは、記念祭開催演説で行われた悪童屋・四季による核兵器の封印宣言である。
国内にある全ての核兵器及びそれに関するデータを破棄。
関連施設についても平和利用に転用できるものを除いて完全凍結と言うものであった。

 常識的に考えてありえない選択だ。軍事とて経済活動の一環。
そして経済と言うものは常に拡大することでその構造を維持するものだ。
その中で核兵器と言う切り札の一枚を自ら捨て札にすることは勝負を投げるようなもの。
それゆえ宣言自体は国民の支持を集めるためのパフォーマンスに過ぎず、
実態としてはいつでも持ち出せるように弾薬庫にシールを一枚貼る程度の封印に違いない
というのが周囲の一般的な見解であった。

 もちろんそう考えたのはアルファらも同じ。だからこそブラボーを派遣したのだが……
「ダミーの弾薬庫だったという可能性は?」
「ありません。先日の防衛戦で持ち帰られた量を考えれば他の場所では格納し切れません。
仮に分散させたとしてもあそこに一発も残っていないというのは不自然です。
容量のみ考えるなら王城地下にあるという基地には格納できるかもしれませんが……」
「それはない、な。」
ブラボーも肯く。自らの足元に核爆弾を置いていたいとは誰も思わないだろうし、
政治中枢が一人の工作員に消滅させられる危険性を考えれば心情的な問題だけでもない。

 国内のどこかに設置されているであろうミサイルサイロの付近とも考えられたが、
現在の悪童同盟にサイロの中におさまるべき長距離ミサイルは存在しない。
ボタン一つで目標へ飛んでいく報復用ミサイルであれば分散して格納することに多少の意義もあろうが、
ミサイルの無い現状ではそのようなところに保管しても奪取される危険性が増すだけである。

 その他いくつかの候補も予備調査のデータなどからは否定材料しか出てこなかった。
「つまり、弾頭奪取の線は消えたと言うことか……」
憎憎しげに呟くアルファ。もとより弾頭を奪うのはリスクの高い方法であった。
だが実物を入手できれば資料としてはこれ以上無いものだ。多少のリスクを負う価値はある。
しかしそれとてある程度確実な成算があってこそのことだ。
対象物の所在が手がかりすら分からないような状態でできるような作戦ではなかった。

「データ入手のほうは……いえ、となると残る手段は」
ブラボーが質問しかけてその内容を変える。
データの入手が首尾よく進んでいたならばアルファが実物にこだわる必要もないことに気づいたのだ。
「技術者の確保、ということになるな……」
電子データが無くとも技術者を手に入れられれば断片的にでも情報を入手できる。
もちろんその手段は金銭による買収から実力による拉致まで、問われることはない。
その時アルファの懐から有名なクラシックのメロディーが鳴り出した。
携帯電話の通知はそれがチャーリー──王都周辺の情報収集を命じた第三のエージェントからのものであると告げていた。

「こちらアルファ。首尾はどうだ?」
無造作に問いかけているが、電話に内蔵された暗号化装置によって音声データは変換されており、
通常の傍受では単なる世間話にしか聞こえない仕掛けになっている。その分音質は低下するのだが。
「ターゲットはバザール周辺にいるが、特に護衛などはついていないようだ。
あと、詳細は不明だが我々とは別のどこかの組織が一斉に検挙された。
事件自体を内密にしているようだが、特定エネルギー資源に関するものだと言う噂が政庁内で……」

 そこまで聞いて、アルファの脳裡に閃くものがあった。
いままでばらばらだった情報のラインが一つに纏まってゆくのを感じる。
「そうか、これは罠だ!」
「罠……ですと!?」
「規定の連絡ラインで全エージェントに通達。各自120分以内に出国、離脱する!」
それだけ言うとアルファは一方的に電話を切った。

 怪訝そうな顔でブラボーが尋ねる。
「罠とは、どういうことです?」
「いいか、考えても見ろ。強大な力を持ったものはそれを独占しようとするものだ」
「だから我々が動いてその秘密を……」
「その思考こそが奴らに読まれているのだ!
奴らは核の封印宣言という目くらましを用いて我々の情報入手ルートを制限する。
そこでバザール内に技術者と言うエサをばら撒いて引っかかった敵を釣り上げ、
そこから芋づる式に組織を壊滅へと追い込む……
残るのは奴らに騙された民衆と利害の一致する組織だけと言うわけだ」
「なんと……」
「今は核の技術よりも我々の存在を察知されないことが優先される。
ここをかぎつけられる前に脱出するぞ!」
「は、はい!」

こうして、人知れず一つの秘密組織がこの地から姿を消すこととなった。
はたしてこの結果が誰かによって意図されたものだったのか、それともただの偶然か……
それは神のみぞ知るところである。


  [No.1186] イラストはこちらへ。 投稿者:ゆうみ  投稿日:2008/07/15(Tue) 11:47:54

取得アイドレス『核の封印』のイラストはこちらへ返信してください。


  [No.1203] 封印シール 投稿者:よっきー  投稿日:2008/07/20(Sun) 19:55:01
封印シール (画像サイズ: 320×240 1.2MB)

封印とシールってよく考えたら意味かぶってるよね。


  [No.1217] ぽむ 投稿者:よっきー  投稿日:2008/07/29(Tue) 00:44:15
ぽむ (画像サイズ: 512×450 32kB)

本当はもうちょっと背景の照明効果をいじりたいのだけれども……
とりあえず現状でアップ。